「バインミー」というサンドイッチをご存知ですか?長さ20cmほどのフランスパンに、大根とにんじんの甘酢漬けやパクチー、ハム、レバーパテなどをはさんだ、ベトナムのサンドイッチです。スーパーで手に入るもので簡単に本場の味を再現できます。
そこでここでは、バインミーの作り方とポイントをご紹介します。
バインミーとは?
バインミーは、フランスパンにレバーパテを塗り、大根とにんじんのなますと、お好みの具材をはさんだサンドイッチです。ベトナムのソウルフードとして親しまれています。
なぜベトナム料理にフランスパン?かいうと、ベトナムは過去にフランスの植民地だったからです。そのため、ベトナムの都市ハノイやホーチミンには、今でもフランス文化が根強く残っており、カフェがいたるところにあるそうです。
「バインミー」の「バイン」は、「粉の生地でつくる料理やお菓子」を表す言葉で、ベトナム料理には「バインセオ」という料理もあります。フランスパンになますが意外と合い、ボリュームがあるけど全体的にあっさりしていて、夏のランチにもおすすめです。基本のレシピを紹介するので、ぜひ作ってみてくださいね。
バインミーの基本レシピと作り方のポイント
バインミーは、スーパーで手に入るもので作ることができます。基本の具材である、なますやパクチー、レバーパテがあれば、あとはアレンジ次第でいろんな味が楽しめますよ。バインミーに必要な基本的な材料と作り方を紹介します。手に入らないものは、他のもので代用してもかまいません。
バインミー作りに必要な基本の材料
■フランスパン
バインミーではフランスパンを使います。本格的なフランスパンだと固くて食べにくいので、「ソフトフランス」と呼ばれるタイプがおすすめです。ソフトタイプの方がかぶりついて食べるときに食べやすいです。外はパリッと、中はふんわりしたパンがおすすめですよ。1人分の目安は約20cmです。
■パクチー
独特の香りを持つハーブで、エスニック気分満点にしてくれます。
英語では「コリアンダー」、中国語では「香菜(シャンツァイ)」といいます。エスニック料理はもちろん、麺類や炒め物、サラダなどに使えるハーブです。最近では大手スーパーでも入手できます。
パクチーが苦手な方は、バジルやシソの葉でも代用できますよ。
■大根・にんじん
バインミーの基本の具となるなますの材料で、バインミーには欠かせません。なますをフランスパンにはさむことで、全体があっさりとした仕上がりになります。多めに作っておけば、野菜の小鉢にもなりますよ。
■きゅうり
きゅうりはサンドイッチの定番食材。バインミーでも使用します。斜め切りのきゅうりをはさむことで、シャキシャキ感が出ます。
■レバーパテ
レバーパテもバインミーの定番食材です。まったり濃厚なレバーパテと、さっぱりしたなますが意外に合う組み合わせです。レバーが苦手な方は、塗らなくてもOK。
■ニョクナム
ベトナムの魚醤で、カタクチイワシの仲間の「カー・コム」という小魚を塩に漬け込み、発酵させて出た上澄みの液体。タイの魚醤「ナンプラー」でも代用でもOK。
■フランスパンにはさむメインの具材
ハム類、焼き肉、目玉焼き、肉団子、サラダチキン、ランチョンミート、ポークソーセージ、スライスチーズなどお好みのものをはさみましょう。
基本のバインミーの作り方
【材料:4人分】
- ・ソフトフランスパン…4個(または20cmのものを4個)
(なます) - ・大根…150g
- ・にんじん…100g
- ・塩…小さじ1
A
- お湯・砂糖・酢…各大さじ2
- ニョクナム(またはナンプラー)…小さじ2
(具)
- きゅうり…1本
- パクチー…適量(1袋)
- バター…適量
- レバーパテ…60~80g
- ハム類…適量
- 黒こしょう…適量
- なますを作る。大根とにんじんは長さ約5㎝太めのせん切りにする。分量の塩をまぶしてしばらくおき、しんなりさせる。しんなりしたら水洗いをして、塩気を落とす。
- ボウルにAの調味料を入れて甘酢を作る。水気を絞った①を入れて混ぜ、皿などの重しを乗せて30分ほど漬け込む。
- きゅうりは斜め輪切り、パクチーはざく切りにする。
- バターとレバーパテは、それぞれ塗りやすいようにやわらかく練っておく。
- ハム類ははさみやすい大きさに切る。
- フランスパンをオーブントースターで軽く焼いて温める。表面がパリッとしたら取り出して、横からナイフで切り込みを入れる。
- ⑥のフランスパンの内側両面に④のバターとレバーパテを順に塗り、きゅうり、ハム、軽く汁気を絞ったなますをはさむ。お好みで黒こしょうで味つけし、最後にパクチーをはさんででき上がり。
バインミーの作り方のコツ
- なますの大根とにんじんは、マッチ棒より少し太めに切りましょう。細かいせん切りにすると、水っぽくなってしまいます。
- 野菜やハム類など身近な食材をたくさん入れて、ボリューム満点にした方がおいしく出来上がります。
バインミーのアレンジレシピ|焼き肉のバインミー
バインミーは、メインの具材を変えることで、いろんな味を楽しめます。ここでは、焼き肉のバインミーの作り方を紹介します。
焼き肉のバインミーの作り方
【材料:4人分】
- ソフトフランスパン…4個(または20cmのものを4個)
(なます) - 大根…150g
- にんじん…100g
- 塩…小さじ1
A
- お湯・砂糖・酢…各大さじ2
- ニョクナム(またはナンプラー)…小さじ2
(具)
- きゅうり…1本
- パクチー…適量(1袋)
- バター…適量
- レバーパテ…60~80g
- ハム類…適量
- 黒こしょう…適量
- 牛こま切れ肉…200g
(下味)
- にんにく…1かけ分
- オイスターソース…大さじ1
- シーズニングソース…大さじ1
- ニョクナム(またはナンプラー)…小さじ1
- 砂糖…小さじ1
- 黒コショウ…少々
- ごま油…小さじ2
- マヨネーズ…大さじ2
- なますを作る。(基本のバインミーの作り方参照)
- 食べやすく切った牛肉をボウルに入れ、下味の材料をからめて15分ほどおく。きゅうりは斜め薄切りにする。パクチーはざく切りにする。
- フライパンにごま油を入れ、②の牛肉を中火で炒める。肉が固くならないように手早く火を通す。
- フランスパンをオーブントースターで軽く焼いて温める。表面がパリッとしたら取り出して、横からナイフで切り込みを入れる。
- ③フランスパンの内側の両面にマヨネーズを塗り、きゅうり、②の牛肉、軽く汁気を絞ったなますをはさむ。最後にパクチーをはさんででき上がり。
バインミー作りにあると便利な調味料
バインミー作りにあると便利なアジアの調味料を紹介します。スーパーや輸入食材店で手に入りにくいものは、インターネット通販が便利ですよ。
シーズニングソース
シーズニングソースは、タイやベトナムで使われる調味料。砂糖を添加した甘めの大豆しょうゆです。日本のたまり醤油のように濃厚で、うま味があります。輸入食材店、タイ食材店などで入手可能ですよ。炒め物やチャーハンの味付けにも便利です。
ホットチリソース
ホットチリソースは赤唐辛子とにんにくを加熱してすりつぶし、砂糖や塩、酢を加えて作られるソース。タイやベトナムでよく使われる調味料です。輸入食材店やタイ食材などで入手可能ですよ。揚げ物やオムレツのソースに使ってもおいしいですよ。
ベトナムのソウルフード「バインミー」でおうちカフェを満喫しよう
ベトナムのサンドイッチ、バインミーの作り方とアレンジレシピを紹介しました。なますは多めに作っておけば、野菜の小鉢としても重宝します。この記事を参考にして、バインミー作りにチャレンジしてみてくださいね。
文:wami