リビングや寝室の真っ白な壁に、絵を一枚飾ってみませんか。本棚やいつも使っている机の上に、オブジェを一つ置いてみませんか。
アートと聞くと、「敷居が高い」「美術はよくわからない」なんて思ってしまいますが、私たちの身の回りにある物も、見方次第で作品になります。また、美術館やギャラリーをよく訪れるなら、実際にアーティストの作品を購入してみるのはいかがでしょう。
家の中にアートがあると、インテリアのアクセントになったり、豊かな気持ちになれたりします。今回は、アートを気軽に取り入れる方法から、原画のレンタルのこと、そして実際に作家の作品を購入するまで、おうちでアートを楽しむ方法をお伝えします。
身近にある物を飾ってみる
ピカソやゴッホだけがアーティストではありません。暮らしの中のあちこちにも、アートはゴロゴロ転がっています。自分で撮った写真、気に入った雑誌の切り抜き、子どもが描いた愛らしい絵をフレームに収めて飾ってみてください。
散歩の途中や旅先で見つけた石ころ、海辺で拾った貝殻も、ペーパーウェイトやオブジェに様変わりします。見慣れている物たちを、少し違う視点から眺めてみましょう。
物は思い出を呼び覚ましてくれるので、大切な物はいつも目に入る場所に置いておきたいですね。
ミュージアムショップを利用する
美術館を訪れてたくさんの作品にふれると、「この絵が好き」「うちにもあったらいいな」という出合いがあるかもしれません。
展示品を購入することはできませんが、美術館に併設されているミュージアムショップでは、ポストカードやトートバッグなど、作品に関するグッズを購入することができます。
ポスターを部屋に飾ったり、マグカップを普段使いしてみたり。アートを身近に感じるきっかけになりますね。作品の写真や解説が載っている「図録」を購入して、おうちで学びを深めるのもおすすめです。
アートをレンタルしてみる
高価な作品を買うのは気おくれするし、気になっている絵があるけれど部屋になじむかどうか…。そんな気掛かりがあるときは、借りるという選択をしてみませんか。
『Casie』は、絵画のサブスクリプション。世界に1つだけの原画をレンタルできて、アーティストの支援にもつながるという嬉しいサービスです。
初月は550円、以降は月額2,200円(サイズによる)から利用でき、1ヶ月ごとに絵の交換ができるので、いろいろな作品を楽しめます。簡単な質問に答えるとオススメの絵をセレクトしてくれる「アート診断」もあるので、思わぬ芸術に出会える可能性も。 【2022年4月現在】
アーティストの作品を手に入れる
思い切って作品を購入してみよう!と決めたとき、実際はどこで買えるのでしょうか。
作品は、ギャラリー・百貨店・個展・オンラインショップで購入できます。ギャラリーや百貨店へ足を運ぶ場合は、全国の個展情報が載っているサイトがあるので、事前のリサーチをおすすめします。
Webで購入する場合は、「アート オンラインショップ」で検索すると、さまざまなお店でたくさんの作品を見ることができます。
また、アーティスト自身のWEBサイトで作品を販売していたり、個展や入手先の情報が載っていることもあるので、気になる作家さんがいる場合はチェックしてみましょう。
お気に入りの作品と出会えますように…!
おまけ~映画『ハーブ&ドロシー』
郵便局員のハーブと司書のドロシー、共に現代アートのコレクションを趣味とする老夫婦のドキュメンタリー映画。
決して高所得者ではないけれど、ニューヨークにある1LDKのアパートは、ふたりの感性で集めた作品でびっしり。アートに情熱を注いできた30年間の軌跡がうかがえます。
注目すべきは、作品を作り続けるアーティストたちとの付き合い方。芸術家の卵だった彼らが、名の知れる人となったときに「自分のことのよう」と一緒に喜ぶ姿は、まさに愛そのもの。
アートにかかわらず、思わず「自分が人生で大切にしたいことは何か」を考えてみたくなります。
暮らしに彩りを
思い出の品もアーティストの作品も、部屋の一角に飾るだけでぐっと雰囲気が変わります。
食事や会話の合間に、本を読んだり考えごとをしているさなかに、ふとそれらに目を向けると、心がなごんだり気持ちが潤ったり、時にはアイデアが浮かんだり?!
生活必需品ではないけれど、たくさんの気づきをもらえるアート。”自分だけの好き”を見つけて、暮らしの一部にしてみませんか。
文:KAORU