若返りのハーブでつくる、肌に優しい虫除けスプレーとローズマリー軟膏

庭のハーブを使ってアウトドアや外出で使える、手作り化粧品を作ってみました。今回使うのは、ローズマリーです。ローズマリー以外にも虫除け作用のあるハーブがあればつくれます。ビーカーやスポイトを用意すると、理科の実験みたいで楽しいですよ。思った以上に簡単ですので、気軽につくってみてはいかがでしょうか。ローズマリーの抗酸化・抗炎症作用をアルコールに溶け出させた「ローズマリーチンキ」をまず作り、それを使って肌が弱い人向けの虫除けスプレーと、しみ・シワなどにおすすめと評判のローズマリー軟膏をつくりました。

虫除け成分ディートの子どもへの影響

なぜハーブで虫除けスプレーを作るのか。まず、知っておきたいのが、市販の虫除けスプレーのこと。

市販されている虫除けスプレーには、ディートという昆虫などの忌避剤(虫よけ剤)として用いられる化合物が使われているものが出回っています。最近はディート不使用のものも増えてきましたが、いまなお使われている化合物です。

忌避剤として効果は高いですが、その分、人によってはアレルギーや肌荒れを起こすこともあります。最近は高濃度ディートの製品も販売されているようで、化学物質の害は気にしたいところですね。

ディートの配合濃度によって、「生後6ヶ月から使用できる」とか、「12歳以上から使用してください」などと決められているメーカーさんもあるようです。

長時間塗ったままにしない。子供で約4時間、大人で約8時間程度を目安とする。さらに長時間の使用が考えられる場合は、濃度の低いものを使用するか、薄く塗る方法をとる。

帰宅後など、昆虫に接触する機会から離れた場合は、速やかに石鹸などを使い、洗い落とす。

虫よけ剤は、子供の手の届かないところへ保管する。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

つけている時間とか洗い流さなきゃいけないとか、今回調べたら初めて知ったことも多いです。用法をあまり読まず知らない人も多い気がします。市販の虫除けスプレーを選ぶときは成分表示とか、使用方法しっかりみて使いたいですね。

ということで、今回はこういったディートなどを含まない、天然ハーブでつくる肌に優しい虫除けスプレーを作りたいと思います。

若返りのハーブ、ローズマリーの特徴

ローズマリーは、虫が嫌いな匂いを放つなハーブ

地中海源さんの、多年生の常緑ハーブであるローズマリー。料理にも、化粧品の原料としても使われています。古代エジプトでも神聖な植物として扱われていました。ラテン語で「海のしずく」という名前のローズマリー。ローズマリーには、集中力や記憶力を高める作用があります。このスッとした香りが、どうやら虫が苦手な香りなのだそうです。

ローズマリーは、アンチエイジングに最適なハーブ

香りによる虫除けだけでなく、皮膚細胞を元気にする、高い抗酸化作用があるため化粧品にも使われています。ローズマリーに含まれているウルソール酸が、細胞を修復する作用があるため、「若返りのハーブ」とも呼ばれています。シミやシワなどアンチエイジングにおすすめと言われる理由がわかります。作り方によってはウルソール酸が抽出されないので、今回はこのウルソール酸がしっかり抽出される方法で作りたいと思います。

ローズマリーチンキのつくり方

まずは、ローズマリーチンキを作ります。

材料

・生ローズマリー 適宜(40gくらい)洗って乾かしておく。
・無水エタノール 100mlくらい

❶保存用のビンを消毒する

煮沸消毒もしくは、内側をアルコールで拭きます。(私はいつもアルコールスプレーを内側にシュッとしてティッシュでふくだけ)煮沸消毒は火傷しそうなので。

❷ビンに、生ローズマリーを入れる。

❸2の中に、無水エタノールを注ぐ。

他のアルコールでもつくれるようですが、アルコール度数が99.5%と高い、無水エタノールを使ってウルソール酸を抽出させる必要があります。虫除けスプレーだけだったら他のものでもいいかもしれませんが、今回はアンチエイジング軟膏をつくるので、無水エタノールを使いました。ローズマリーがひたひたになるくらいにアルコールを入れます。

❹2〜3週間、日の当たらない場所に置いておく。

日の当たらない場所に置いておきます。時々ビンを振ります。成分が抽出されて濃い緑色になっています。

❺濾して、密封ビンに入れて完成。

ローズマリーの葉が入らないように、チンキだけを濾します。茶漉しやコーヒーフィルターを使うと便利です。
遮光ビンにいれて冷暗所に置き、1年ほどは保存できます。作った日にちを書いておくとよいです。

ウルソール酸を出すために必要な無水エタノールはこちら。

肌に優しい、ハーブの虫除けスプレーの作り方

次は、つくったローズマリーチンキを使って、肌に優しい虫除けスプレーを作ります。アルコール濃度が高いと刺激が強くなります。私はアルコールの刺激が得意ではないので、アルコール濃度が少なめで、保湿効果のあるグリセリンを加えたスプレーにしました。天然手作りの化粧品といっても、人によっては合わないものもあります。必ず使用前にパッチテストをしてくださいね。

材料(できあがり30ml)
・ローズマリーチンキ 3ml
・グリセリン 5ml
・精製水 22ml

❶ローズマリーチンキと、グリセリン、精製水をスプレーボトルに入れる。

使うのは、遮光性のある色のついたガラススプレー瓶が最適です。

❷よく振って混ぜ合わせる。

使うときにも、よく振ってつかいます。冷蔵庫で保存し、1週間をめどに早めに使います。虫が入ってきやすい網戸などにもシュッとして使ったりします。

今回使った材料はこちらです。

若返りのハーブ、ローズマリー軟膏の作り方

材料(できあがり30g)
・ローズマリーチンキ 10ml
・白色ワセリン 20g

❶ローズマリーチンキと白色ワセリンを容器に入れる。

使う容器は、取っ手がついたものが便利です。なぜならこのあと湯煎にかけてかき混ぜるから。今回は、ダイソーで買ったキャンプ用品のシェラカップを使いました。取っ手がついていてステンレスだし、便利なんです。耐熱ビーカーでもいいですね。ワセリンなどがついてしまうので、クラフト専用にして、料理に使うものとは別にしましょう。

たまたまベビーワセリンが家にあったので使いました。白色ワセリンならなんでもOK。

❷鍋に水を入れて沸かし、湯煎にかける。

シェラカップを湯煎にかけて、ローズマリーチンキとワセリンをかき混ぜます。少したつと、泡がふつふつしてきます。無水エタノールがだんだん蒸発してきました。泡が落ち着いたら、湯煎をしてそのままアルコール分を飛ばします。全部で約20分ほど湯煎&かき混ぜをつづけます。

 
湯煎にかけるときの注意事項

アルコール濃度が高いので、火気はなるべく使用しない方が安全です。
私は、電気調理器を使いました。ホットプレートにお湯をはって使う人もいるようです。

❸粗熱をとって、容器に入れる。

できたら鍋から外し、粗熱が取れたら煮沸消毒したビンに移し替えます。とっても綺麗なグリーン。冷えて固まったら、ローズマリーの効能がいっぱいのローズマリー軟膏の完成です。保存は半年ほど。

早速使ってみました。手作り化粧品の注意事項も。

最後に、ハーブを使った手作り化粧品を使うときは注意事項があります。また、今回の作り方はハーブの量などは自己流も含まれていますので、ご了承ください。ご利用は自己判断でお願いします。

 
ハーブでつくった化粧品を使うときの注意事項

1.必ずパッチテストをしてから 
2.肌に合わなかったり、気分が悪くなったりしたら使用をやめよう。
3.妊娠中の人は使用しない

パッチテストをして問題なかったので、早速使ってみました。
ワセリンがとっても伸びが良いので、手に塗るにはすこーしで十分。雑菌が入らないように、取り出すときに小さなスパチュラかヘラを使っています。ハンドクリームの代わりに、シミやシワの気になるところに。さあ、つやつやの手になるといいな〜。

ハーブのクラフトは久しぶりでしたので、理科の実験みたいで楽しかったです。つぎは他のハーブでも試してみたいと思います。今回のローズマリー以外にも女性に嬉しいハーブ、これからも紹介していきますね!

動画も合わせてご覧ください。

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静岡の自然豊かな場所にあるインダストリアルなカフェ『カフェユノートル』では、ここちよい時間と空間をご提供しています。ここで焙煎したコーヒーや米粉の焼き菓子を味わいながら、カフェを囲む庭園の緑や植物に癒されたり、会話を楽しむ人がたくさん訪れています。併設の『アンライフbyユノートル』では、観葉植物やファッション・インテリア雑貨を販売。健やかに、優しく、豊かな日々を。そんな”ローカルだからできる”日々の豊かさがある暮らしを、これからもユノートルは提案していきます。

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