おいしそうなスイーツ♪
今日はちょっと目線をずらして「器」を見ていきましょう。
あなたの家にも、ひとつふたつお気に入りの器があるのではないでしょうか。
器は、その形・デザインから作品といえるようなものがたくさんあって見ていて飽きません。
私はインスタグラムで「雅峰窯」というアカウントに出会ってから、陶器って素敵だなーといろいろなデザインの焼き物を見ることが増えました。
焼き物の歴史は、実は縄文時代からだったってご存知ですか?
今回はそんな長い歴史が紡がれている焼き物の魅力がどんなところにあるのか、お伝えしていきたいと思います。
器の種類には何がある?
あなたの家の中にある食器を思い浮かべてください。
陶器で作られている食器だけではなくて、別の素材が使われているものもありますよね。
イベントでも使われるような紙皿をはじめ、丈夫で熱に強いメラミン食器、夏に活躍するガラス食器、ステンレスやアルミなどの金属を使った食器、木目で個性が出る木の食器などなど。
ざっと挙げるだけでもこれだけの種類があります。焼き物も細かく分類すると4つに分かれます。その中にはなんと、学校で習った縄文土器なども「土器」という焼き物に分類されるのだそうです。
そこから派生していき、石を焼いた「磁器」、陶土という土を素材にして焼いて作られる「陶器」、陶器と磁器の中間の性質を持つ「炻器(せっき)」があるのです。
陶磁器、という言葉がありますが、これは焼き物の総称になるそうです。先ほど挙げた4つ全てをまとめて陶磁器というのですね。
器を魅力的に見せる「しのぎ」
冒頭でお伝えした雅峰窯は、陶器に分類される”丹波焼”のお皿やマグカップを作られている窯元です。
インスタグラムでは、新しい作品が日々投稿されているのですが次はどんな作品が焼き上がるのだろうと楽しみになっています。色合いやデザインはもちろん素敵なのですが、私にとっては”しのぎ”が魅力ポイントです。
しのぎというのは、装飾技法のひとつ。
こちらの投稿を見ていただくと、お皿の縁が波波とした模様になっているのが分かりますよね。このような稜線文様の装飾が刻まれているのが”しのぎ”です。
YouTubeでもしのぎを削っている動画が投稿されていますが、神経を集中させて一本一本模様を削る様子は思わず見ていて吸い込まれそうになります。
職人技って何時間でも見れちゃいますね。
つるんとした質感の食器ももちろん可愛らしくておしゃれですが、焼き物にしか出せない焼きむらや模様の変化、手に取ったときのざらざらした質感も、その食器にしかない個性という感じがあっていいですよね。
器の装飾には、このしのぎ以外にも絵付けや刷毛目という芸術的な技がたくさんあるので、知れば知るほど陶芸の世界に引き込まれていってしまいます。
陶器には「日本六古窯(にほんろっこよう)」がある
雅峰窯の焼き物は丹波焼でした。
「でも確か、焼き物っていろんな名前のものがなかったっけ?」と思われたかもしれません。
経済産業大臣から伝統工芸品として認められている焼き物は31あり、その中で日本を代表する焼き物に「六古窯」があります。
日本六古窯(にほんろっこよう)は、古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹羽・備前)の総称です。
2017年には日本六古窯は日本遺産に認定もされました。
どうしてこんなに焼き物の種類が多くなったんだろうなと思ったのですが、その土地の土の成分によって器の色の出方などに差が出てくることで、見た目に変化が現れるからだそうです。
確かにそれぞれの陶器に、違いや特徴があってそれがその土地らしさをあらわしていると思うと、また見る楽しみや面白みが増しますね。
今回ご紹介したのは日本の焼き物についてですが、世界にまで視野を広げると、さらに多くの器作家さんが作り出した作品が溢れています。
iittala(イッタラ)やWEGWOOD(ウェッジウッド)などは名前を聞いたことがあるかもしれませんが、これ以外にも世界にはたくさんの器が生まれています。
器は食材を盛り付けたりするだけでなく、眺めたり飾ったりする用途もある。そんな目線で見てみると、また違った器の魅力に気づいていくかもしれませんね。
まとめ
焼き物についていろいろ見てきました。こうやって情報が増えるとその分、「どういうものが”いい器”なんだろう?」という新たな疑問も出てきますよね。
それに関しては、CASA BRUTUS(【新装版】器の教科書)という雑誌の中で書かれていた、ギャラリストさんの万人向けの回答を見つけました。
「好きな器が一番いい器です」
良い言葉ですね…!
器関連のイベントも全国でたくさん開催されているので、興味が湧いたという方は足を運んでみてください!
文:nakatae